芦屋川の上流、フランク・ロイド・ライトにちなんで名付けられたライト坂のふもとに架かる開森橋(かいもりばし)の架け替え工事が完了し、11月5日(土)に渡り初め式がありました。開森橋は当館の南側に位置し、駅から徒歩で当館に来られた方はおそらく渡ったことがある橋だと思います。
式典では芦屋市長の挨拶や、テープカット、山手中学校吹奏楽部の演奏などが行われ、市民の皆さまが橋の上を渡りました。
開森橋は歴史のある橋で、1938(昭和13)年の阪神大水害では付近の堤防が壊れ、その様子は谷崎潤一郎の『細雪』にも描写されています。その後1953(昭和28)年に架け直されましたが、経年劣化による老朽化や耐震性の問題は避けられず、2年前より3度目の工事が行われていました。
今回、橋から見える当館の外観の色に合わせるために、橋の高欄はやわらかい色合いの黄竜石(こうりゅうせき)が使われ、淡い黄色にするなど周囲との景観に配慮されたそうです。
このあたりから当館の方を望むと、下を流れる芦屋川はもちろん、春には桜の花、秋には紅葉が見事です。芦屋市長もご挨拶で言われたそうですが、これまでは開森橋から景色を楽しまれていた方が多い印象でしたが、今後は開森橋も景色の一部として楽しんでいただければと思います。
当館は保存修理工事中のため閉館中ですが、こうして芦屋の風景の一部としてもお楽しみいただければ嬉しいです。