当館では明治時代に京都の老舗「丸平大木人形店」によって制作された、お顔も衣装も大変美しい雛人形を所有しています。
(雛人形についてはこちらのページをご参考ください。)
毎年2月から4月にかけて雛人形展を開催していましたが、現在は保存修理工事で閉館しているため、残念ながら雛人形展も当分は開催出来ません。
また、人形達を工事現場から移動させる必要がありましたので、工事中の一時保管先に引っ越しを行いました。
100歳以上の人形達ですので、梱包と移動は美術品を扱う専門業者の方にお願いしました。梱包作業が行われたのは当館2階の応接室です。
まずお顔やお髪など傷みやすい箇所を薄葉紙(洋服を買った時など服を包む薄い用紙です)で包んでから、同じように薄葉紙で全体を包んでいきます。
人形にはそれぞれ専用の箱があり、そこに丁寧に納めて動かないよう緩衝材を詰めます。中に防虫剤を入れてからさらに段ボールで梱包します。
人形だけではなく、花嫁道具も今回一緒に移動させます。
(花嫁道具については以前にこのブログでもご紹介しました)
ミニチュアの花嫁道具にもそれぞれ箱があり、この箱をひとまとめにするために一つのトランクに詰めるのですが、これがパズルのようで大変でした。
雛人形・花観人形・花嫁人形などに道具類を加えると100点以上あり、梱包数は32になりました。
また、一つひとつ慎重に梱包するため、作業は6時間以上に及びました。
丁寧に梱包された人形達は、トラックに乗って保管先へと移動します。
移動に使用するトラックは、空調設備と振動を和らげるエアサスペンション付です。
今年は残念ながら来館者の皆様と一緒に雛祭りを祝えませんが、人形達には工事が終了するまでゆっくり休んでもらいたいと思います。